結婚式の費用って、知らず知らずのうちに高額になってしまいますよね…。特に結婚式に使用される花は高価な品種が多く、ブーケ、会場装花、贈呈用花束など種類もたくさん。費用を気にせず打ち合わせを進めると、最終的に驚くほどの金額になっていることも。
「予算オーバー…少しでも費用をおさえたい」「節約はしたいけれど、後悔の残る結婚式にはしたくない。」そんな新郎新婦は多いのではないでしょうか?
結婚式を節約したいと思ったら、まずはお花の値段を見直すことがおすすめです。10年以上ウエディングプランナーをしてきた筆者が経験も交えて「結婚式のお花 節約術」をまとめました。節約のコツや、結婚式場のスタッフへの伝えかたなどもあわせて紹介しますので、ぜひ参考にしてもらえたら嬉しいです。
結婚式に使用される花の相場
まずは結婚式に使用される花にまつわるアイテムを相場とともにまとめました。中央値をざっと計算するだけでも、かなり高額なことがわかります。
ブーケ・ブートニア 1点2万5000円~10万円
新婦の持つブーケと新郎が胸に挿すブーケとお揃いの花材で作られたブートニア。ドレスを着る花嫁の必須アイテムです。ブーケは形と花材によって金額が異なります。クラッチブーケと呼ばれる花束のようなブーケが安価で、ティアドロップやキャスケードなどは、比較的高価です。
チャペル装花 2万円~
チャペル装花は主に3種類。バージンロードを彩る「バージンロードフラワー」、チャペル正面の祭壇両側に飾る「祭壇装花」ゲストが座るイスに飾る「チェアフラワー」があります。「バージンロードフラワー」のみで2万円程度、祭壇装花を生花で手配する場合はさらに5万円以上は必要です。
ウエルカムスペース装花 1万5000円
ウエルカムスペース装花とは、受付や待合室などに飾る装花のこと。お手洗いや会場の入口に飾ったり、ガーデンスペースに飾ることもあります。相場が1万5000円となっていますが、飾る場所や種類によって金額は様々。受付に飾る小さなアレンジメントなら3000円程度。ガーデンや玄関にスタンド花を飾る場合は1点10000円以上必要です。
会場装花 10万円~
会場装花は、お花のなかで一番金額が大きく、その分節約もしやすいので、会場装花の費用をおさえるのが、「結婚式のお花節約術」のポイントになります。
メインテーブル 3万円~20万円以上
新郎新婦のテーブルの上に置かれるメインテーブル装花。写真撮影が多く行われる場所でもあるので、寂しすぎるのは避けたいところ。メインテーブルがない「ソファタイプ」の高砂が主流になりつつあります。その場合はソファの周りや後ろにお花が飾られます。一般的にはソファタイプの方が装花代が高くなります。
ゲストテーブル 1卓 5000円~
ゲストが座るテーブルの真ん中に置かれるアレンジメントです。ゲストテーブルの卓数分必要になります。
ケーキ・ケーキナイフ装花 1万円~
ウエディングケーキの前に置かれる装花と、ケーキ入刀の際に使用するケーキナイフの持ち手部分を飾る小さなアレンジメントです。ケーキナイフ装花は、花なしのリボンのみでも2000円ほどかかることがあります。
贈呈用花束 1束 5000円~1万2000円
披露宴の終盤で両親に渡す花束です。お父様に渡すブートニアセットで注文します。
子ども用花束 1束 3000円~
ゲストに小さなお子様がいる場合の定番演出である「チャイルドブーケ」。お子様から新郎新婦にお祝いの花束を贈呈し、新郎新婦からお礼のプレゼントを渡す演出です。花束は新郎新婦が手配するのが一般的です。
フラワーシャワー 1万5000円~
ガーデンなどでゲストが生花の花びらをまいて新郎新婦をお祝いする「フラワーシャワー」相場は1万~2万円ですが、1人300円など、1人単位の価格設定の場合もあります。
初回見積の金額が最低価格と理解しよう
相場をざっくり記載しましたが、式場によって金額は様々。同じ金額でもボリューム・技術ともに、全く違った装花が出来上がる場合も。最近では、何社かのフラワーショップから好きなショップを選べるスタイルの式場もあります。
詳細な金額が知りたい場合は、結婚式場に相談に行ったときにもらう「初回見積」を参考にしましょう。その見積もりに記載されている金額が最低金額であることが多いです。
プランナーが伝授する結婚式のお花節約術
結婚式の節約術のなかで一番後悔が少ないのが、花を節約する方法だと思います。「引出物」や「料理」はゲストへのおもてなしに直接関わってきますし、「ウエディングドレス」を妥協するのは、花嫁の後悔度第1位と言っても過言ではないでしょう。
今までたくさんの結婚式の担当をしてきましたが、「装花」の費用をおさえて後悔した話はあまり聞いたことがありません。かといって会場が寂しくなってしまうのは避けたいところ。節約しつつ、よりオリジナリティ溢れる結婚式にしていきましょう。
花の打ち合わせの前に知っておきたい5つのこと
始めに予算をはっきりと伝えよう
お花の打ち合わせは、フラワーコーディネーターと直接やりとりすることがほとんど。(担当のプランナーが同席する場合もあるかもしれません。)打ち合わせの方法は様々ですが、まず希望を聞いてから最後に金額を知らせることも。
それには理由があって、既にお客様と仲良くなっていたり、性格が分かっていたりする場合を除いて、スタッフ側からお金の話を切り出すのは、はばかられるのです。実際に、詳細な金額を都度伝えるとお怒りになるお客様もいらっしゃいます。
その点、お客様から事前に予算の話を切り出してもらえると、その後は気兼ねなく、金額と内容を調整しながら打ち合わせを進めることができます。
最後に金額を提示されてびっくりしてしまうことのない様、先に予算や希望を伝えることが大切です。
こだわりがない場合は花材の指定はなしでイメージと色合いを伝えて
お花屋さんとお客様に双方にとって一番良いのが「希望のカラー・デザイン・ボリューム」をしっかりと打ち合わせ、花材はおまかせするパターンです。お花は生き物。いつでも同じ花が入荷できるわけではないため、花材を指定してしまうと、状態が悪かったり、想像より小さかったりしても使わなければならなくなってしまいます。また、お花は時価なので、見積作成時に提示する金額も自ずと高くなります。
反対に、「花材おまかせ」であればその時に入荷された一番状態の良い花を選んでもらうことができます。例外として結婚式に人気の高い「バラ」や「カサブランカ」などは、高価ではありますが、比較的手に入りやすく、金額も読みやすい花です。
フラワーコーディネーターによっては、その時期の季節の花やおすすめの花を教えてくれるので、じっくり相談してみましょう。また、季節の花は安価で、状態が良いことが多いのでおすすめです。
希望は写真を見ながら具体的に
打ち合わせには、事前に自分がイメージする画像を何枚か用意しておくことがおすすめです。お花の打ち合わせでは「華やかに」「ボリューム良く」などの抽象的表現が多く、人によって見解が違ってきます。
より具体的に自分たちの希望を伝えるには、写真が一番効果的。「ボリュームはこれくらい」「イメージはこんな感じ」など、写真で確認しながら自分たちの好みを把握してもらいましょう。また、実際にその式場で結婚式を挙げたカップルのアルバムも参考になります。花の打ち合わせが始まる前に見せてもらいましょう。
お花の打ち合わせは姉妹や友人の同席が心強い
お花の打ち合わせをするのは結婚式の1~2か月前。料理や席次、引出物などの打ち合わせが重なって、うんざりしている頃かもしれません。さらに、お花の打ち合わせだけで1時間~2時間ほどかかることもしばしば。そんなときは、忙しい彼に代わって、姉妹や友人を誘って打ち合わせに参加してみてはいかがでしょうか?
結婚式を経験済のお友達なら色々アドバイスしてもらえますし、自分の代わりに聞きづらいお金のことも聞いてもらえるかもしれません。
節約術1 ブーケ・ブートニア
花嫁の衣裳の一部でもあるブーケと、新郎の胸元に挿すブートニア。節約だけに目をやってしまうと、後から後悔してしまうことも。自分が後悔しないよう慎重に考えましょう。
ブーケの種類によって金額が違う
ブーケを安価におさえたいなら、花束のようなクラッチブーケがおすすめ。また、リースの形をしたブーケやバッグブーケも意外と安価です。
反対にティアドロップやキャスケードなどクラシカルなブーケは、比較的高額なため、節約といった意味では向いていません。
ブーケは持ち込みが可能
知らない人もいるかもしれませんが、ブーケと花束は持ち込みが可能です。ただし、持ち込み料が発生することがほとんどで、1束1万円~2万円と高額な場合も。それを加味しても、金額的には持ち込んだ方が安く済みます。
生花であることにこだわりがなけば、プリザーブドフラワーや質の良い造花を使用したアーティフィシャルブーケがおすすめ。取り扱いも楽ですし、事前手配が可能なため、実物を確認することができます。ブーケを持ち込む場合は、ブートニア、ヘアオーナメントも忘れずに準備しましょう。
ウエディングドレス・カクテルドレスのブーケを1本で
一般的には、ウエディングドレスとカクテルドレス(カラードレス)のブーケは持ち替えますが、どちらにも合うブーケを手配すれば、1本で問題ありません。1本だと淋しいと思う場合は、カクテルドレスで再入場する時だけ、ブーケではないものを持って登場しても。
例えば、バルーンを手に持って登場したり、中高生でバスケ部だったらバスケットボールを持って登場したり。楽しいシーンになり、まさか節約のためとは思われないでしょう。バルーンなどのアイテムは演出のひとつとカウントされるため、持ち込み料がかからないことが多いです。
ビッグフラワーでおしゃれに
金額的にも、見栄え的にもおすすめなのがビッグフラワー。お色直しの際、ビッグフラワーをブーケの代わりに持って登場すると新婦友人席から「かわいいーー!!」と歓声が上がること間違いなしです。
節約術2 チャペル装花
チャペル装花はオプションであることがほとんど。もし打ち合わせの際にチャペル装花の金額を追加されるようなら、「追加なしの場合はどんな感じになりますか?」と突っ込んで聞いてみましょう。全く花が無しになってしまって淋しいようなら必要ですし、造花が生花に変わるだけなら、造花のままでも良いかもしれません。
ここだけの話ですが、生花にするより、ショールームの造花のままの方が見栄えが良いことも。また、節約とは関係ないのですが、式場によってはチャペル装花は好きな色に代えることができます。「白」が基本ではありますが、ピンクやブルー、グリーン(葉)のみなど、希望があれば伝えてみましょう。
チャペル装花はサラっと打ち合わせが進んでしまい、言われた通りの金額を支払ってしまうことが多いので、しっかり内容を聞いて考えてみてください。
節約術3 ウエルカムスペース装花
ウエルカムスペースの装花はオプションであることがほとんど。会場によって広さや雰囲気は様々なので一概には言えませんが、全くいらない場合も多いです。例えば受付に置く「受付装花」は、あれば華やかにはなりますが、なくても気にならない場合も。
結婚式当日には、結婚式に参列できなかった友人や勤務している会社からフラワーアレンジメントやバルーン電報が届くことも多く「花がないと淋しいかな…」といった心配は無用かもしれません。
来てくれたゲストからは、お花よりも「ふたりらしさ」が喜ばれるので、ウエルカムスペースにはたくさんのふたりの私物を飾るのがおすすめ。
定番は写真やウエルカムボードですが、結婚式のために準備したものだけではなく、ふたりにゆかりのあるものは何でも飾ることができます。
実際に、サーフボードや車、バイク、ゴルフクラブなどの趣味のものや、部活で着用したユニフォームや楽器、趣味で集めたフィギュアやぬいぐるみなど、たくさんお持ち込みして頂いた経験があります。趣味のもの、部活で使用したアイテム、卒業アルバムなど、ふたりのゆかりのものをたくさん飾れば、それだけでもオリジナリティー溢れるウエルカムスペースが完成します。
節約術4 会場装花
「結婚式の花」の中で、一番お金がかかるのが会場装花。賢く節約して、素敵に会場をコーディネートしましょう。
花材の指定はしない|イメージとボリュームを伝えて予算に
前項でも記載のとおり、花材を指定すると金額があがる場合があります。写真をみながらイメージを具体的に打ち合わせ、色味やボリューム、雰囲気をしっかり伝えましょう。
メインテーブルを置いた方が費用が抑えられることも
最近では、新郎新婦が座る「高砂席」が「テーブルタイプ」か「ソファタイプ」か選べる会場もあります。節約のみを考えるなら「テーブルタイプ」がおすすめ。テーブルの上にアレンジメントを置くだけなら、比較的安価で済みます。
逆に「ソファタイプ」の場合は、ソファの両端と後ろに大がかりにお花をアレンジしていくことがほとんどで、20万円以上かかることもあります。
ゲストテーブルはシンプルに|予算重視でOK
ゲストテーブルに置く卓上装花は、小さめでも大丈夫。なぜなら結婚式当日は、お皿やグラス、ナイフに席札やメニュー表などテーブルの上が想像以上に華やかになります。正直なところ、一輪挿しでも良いのではと思うほど。ただ、式場によっては1卓3000円以上などの最低価格が設けられているため、その価格内でのアレンジメントを選びましょう。
卓数を減らすのも○
式場によっては、4名掛けのテーブルや8名掛けのテーブルなど、テーブルの大きさが選べることがあります。例えば、4名2卓を8名1卓に変更すれば1卓分の卓上装花とテーブルクロス代を節約することができます。
ケーキテーブル・ケーキナイフの装花はいらない場合も
ケーキテーブルの前に置いたり、ケーキをぐるりと囲むケーキ装花。プランナーに話を聞いてみると、グリーンだけでも充分だったり、そもそも不要な場合もあります。ケーキナイフに付ける装花も同様。単価が低いからといってブライダルマジックにかかってしまってはいけません。リボンだけでも良いと思えるならケーキナイフに付ける装花代も削ることができます。
ただ、「ケーキ入刀」の時の写真映えが気になるようなら装花は付けたほうが良いかもしれません。実際の写真を見せてもらい、不要かどうか判断しましょう。
テーブルクロス・カラーナフキン
お花同様卓上装花を安く済ませ、テーブルクロスやカラーナフキンにこだわることができます。オプションでランナーを追加したり、持ち帰り可能なカラーナフキンにすることもできますので、お花の打ち合わせの時に合わせて聞いてみましょう。
節約術5 贈呈用花束
贈呈用花束は、おふたりの希望よりも、両親の想いを優先したいものです。披露宴の最後に花束をもらうことを想像しているご両親や、お花が大好きなお母様ならば、花束を用意してあげると喜ばれます。
贈呈用は持ち込み料がかからないことも
贈呈用花束は持ち込み料がかからない場合もあります。花束を持ち込みたい場合は、持ち込み料の有無を担当のプランナーに確認してみましょう。生花でも良いですが、記念に残るアーティフィシャルフラワー(造花)やプリザーブドフラワーも喜ばれます。お父様に挿すブートニアも忘れずに手配しましょう。
花束の代わりの記念品は見栄えのするものを
今では定番となった花束の代わりの記念品プレゼント。ただ、花束贈呈のシーンは、披露宴終盤の大切な演出のひとつ。旅行券や包装紙に包まれたプレゼントだと、華やかさに欠けるかもしれません。旅行券なら小さな花束に添える、プレゼントは箱からだすなど、見栄えがよくなる工夫が必要です。
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節約術6 子ども花束
子ども用の花束は持ち込み料がかからないことがほとんど。生花でなくても造花の花束やキャンディーでできた花束など、子どもが持ってかわいらしいものがおすすめです。ちなみに花束のお返しは、お菓子の詰め合わせが定番です。
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節約術7 フラワーシャワー
フラワーシャワーは、質を下げずに節約できるアイテム。造花ならネットで安く購入することができます。花びらの枚数が少ないと足りなくなってしまうので、多めに手配しましょう。1人ひとつかみ、花びら約20枚程度が目安です。
花びらのカラーも「深紅のみ」や「ピンクとブルー」など自由に組み合わせることができるのでおすすめです。ただし、式場によっては持ち込みできない場合もありますので、確認が必要です。
花の代わりにおすすめな〇〇シャワー
フラワーシャワーの代わりに「リボンシャワー」や「折り鶴シャワー」「リボンワンズ」など自分たちらしさをだした演出も素敵です。購入しても良いですし、自作する花嫁様もいらっしゃいます。
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見積書をもらって金額を調整しよう
お花の打ち合わせが終わったら、現段階での見積をだしてもらうのがおすすめです。その頃には衣裳とおおまかな招待人数も決まっているはずなので、初回見積と違う金額になっていると思います。全体的なバランスをみながら、金額を調整していきましょう。
予算がオーバーしたら、後から変更できる
結婚式全体において、打ち合わせ後でも内容が変更できることはあまり知られていません。式場によって変更期日のルールが違うので事前に確認は必須ですが、挙式・披露宴の1カ月前であればたいていのことは変更可能です。打ち合わせが終わったあとでも、少しでも気になることがあれば、担当のプランナーに気軽に相談しましょう。
節約することで、より素敵な結婚式に♡
費用をおさえると結婚式が質素になってしまうかも?と不安になる人もいるかもしれません。節約をしながら素敵な結婚式にすることは充分可能です。費用をかけるところと節約するところのバランスを考えながら、満足のいく結婚式を挙げてくださいね!
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